調査レポート

ぶぎんレポート

ぶぎんレポート 2026年10月号
No.313
ぶぎんレポート 2026年10月号
ぶぎん経営者クラブ会員限定

目次

企業インタビュー
並み居る世界の大手メーカーも一目置く 手づくりに徹する三芳町の顕微鏡メーカー
メイジテクノ株式会社 代表取締役社長 石口 孝貴 氏
レンズでモノを拡大して見ること自体は、2世紀のころから知られていたといわれる。そして16世紀になると、対象物を拡大して見るためには2枚のレンズを組み合わせると効果的であることを、オランダのメガネ職人であったヤンセン親子が発見し、これが現在の顕微鏡の原型になったとされる。いまでは研究分野や教育・実習などさまざまな現場で使われるようになった顕微鏡を、埼玉県三芳町で手作業に徹しながら製造しているのが、創業50周年を昨年に迎えたばかりのメイジテクノ株式会社だ。同社の顕微鏡は日本国内のみならず、米国や英国、EU、ロシア、インドなど世界各国で使われている。並み居る大手メーカーと伍することのできる強みや創業100年に向けた歩みについて、石口孝貴社長に話をうかがう。
調査レポート
自動車産業の行方 ― 日本の自動車製造業は生き残れるのか
ぶぎん地域経済研究所 取締役 調査事業部長兼上席研究員 博士(経営学) 藤坂 浩司
自動車を取巻く急速な技術変化と、新たな技術の普及により、わが国をはじめ世界の自動車産業は産業構造の転換期を迎えている。EVや自動運転など、これまでの自動車業界では少数派または存在しなかった技術の普及と、それら技術の普及を新市場として捉え、自動車市場に参入する新興企業が、既存の自動車メーカーの市場を奪う動きが加速している。本稿では、日本の基幹産業である自動車産業の立ち位置を確認すると同時に、新勢力の動向が、わが国および埼玉県の自動車産業に今後、どのような影響を及ぼすのか考察する。
寄稿
埼玉大学経済学部が実践する金融経済教育
埼玉大学 経済学部長 教授 中川  忍 氏
2026年3月27日、金融経済教育推進機構より、「金融リテラシー調査2025年」の結果が公表された。金融リテラシー調査は、18歳以上79歳以下の個人の金融リテラシー(お金の知識・判断力)の現状把握を目的とする大規模インターネット・モニター調査であり、今回が4回目となる。本稿では、今回の金融リテラシー調査の結果を基に、過去3回の調査との比較も交えつつ、日本国民の金融リテラシーに関する最新の特徴を概説する。また、全国のみならず、埼玉県に関する調査結果についても分析・検証を加える。その上で、日本全体および埼玉県民の金融リテラシーを引き上げるために、金融リテラシーの水準が総じて低い若年層を対象とする大学教育について、具体的かつ効果的に何をすべきかという問題意識を提示し、埼玉大学経済学部が主導して取り組んでいる金融経済教育の内容を紹介する。
寄稿
埼玉県シニア人材バンクのリニューアルと今後の展開
埼玉県産業労働部雇用・人材戦略課長 関根 昌浩 氏
埼玉県では、シニア人材と県内中小企業をつなぎ、企業の経営課題の解決につなげるため、令和7年7月に「埼玉県シニア人材バンク」を開設しました。この取組は、関東財務局、埼玉労働局及び関東経済産業局との連携による「シニア人材と企業をつなぐ埼玉モデル」の中核となるものです。開設から約1年が経過した令和8年7月24日時点では、シニア人材218名、企業112社が登録し、22件のマッチングが成立しました。こうした実績を踏まえ、令和8年7月28日には、埼玉県シニア人材バンクをより使いやすくし、さらなるマッチングにつなげるためのリニューアルを行いました。本稿では、今回のリニューアルの内容と、シニア人材の活用を県内企業の経営課題解決や成長につなげるための今後の取組について紹介します。
さいたま道の駅めぐり手帖 vol.2
祭りの文化を伝える秩父吉田の里
龍勢会館
秩父市吉田にある道の駅「龍勢会館」は、毎年10月に行われる伝統行事「龍勢祭」の文化を伝える拠点です。館内では、手作りロケット“龍勢”が地域でどのように受け継がれ、祭りとして根付いてきたのかを紹介しており、秩父吉田に息づく祭りの精神に触れられるスポットです。
健康経営トップランナー企業の取り組み 第14回
健康経営が組織を変える~エグゼックが実現した“自律的で風通しのよい職場” への変革~
株式会社エグゼック
キャリア&ライフサポーターズ株式会社 代表取締役社長 笹尾 佳子 氏
昨今、健康経営を経営戦略として積極的に取り組む企業が増えてきました。経済産業省などが健康経営を推進する企業を顕彰する「健康経営優良法人認定制度」では、中小規模法人部門で2025年度は23,085法人が認定を受けています。そのうち上位500法人のみが【ブライト500】として認定されます。今回は、東京都が実施している健康企業宣言制度の【銀の認定】を受けた後、2年目でブライト500に認定され、同時に組織風土改革も推進された戦略的な取り組みをご紹介します。
経済コラム
chapter 94
日本一暮らしやすい埼玉
ぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 大西 浩一郎
埼玉県は、来年度からの県政運営の基礎となる次期5か年計画を策定しており、この夏、そのたたき台となる「埼玉県5か年計画大綱」を公表しました。基本理念は「あらゆる人に居場所があり、活躍でき、安心して暮らせる『日本一暮らしやすい埼玉』」であり、時代の潮流や埼玉県の強みを踏まえた上で、3つの将来像、9つの政策、51の分野別施策を設定しています。地域の実情を踏まえた地域別施策も纏められており、どれも興味深い内容なのですが、特に筆者の眼を引いたのは、それらの政策・施策の前提として新たに整理された「埼玉県の強み」です。
埼玉の隠れた銘品百選72
赤沼ロマンビール
株式会社 筒屋〈赤沼ロマンブルーイング〉
春日部の名産品といえば麦わら帽子、麦といえばビールだが、事実、明治の昔、ここには地ビールの醸造所があった。現代の地ビールは、株式会社筒屋(赤沼ロマンブルーイング)の「赤沼ロマンビール」である。このビール、コクがあって味わいが深い。秘密は、代表取締役の筒野さんが育てる米麹。地元で作る赤米の麹である。はじまりは約30年前。赤沼神社の神事である「赤沼獅子舞」を盛り上げ、春日部の新たな名物を生み出そうと、「赤沼」の赤にちなんで「赤米」を作ることにしたのだ。赤米はその後、学校給食に提供されたり、菓子に使われたりするなど地域に根を下ろしている。
ちょい旅彩の国
埼玉県立 川の博物館
荒川を知ると埼玉が見えてくる 川の博物館でたどる”水と暮らし”の物語
秋の気配が深まる10月。澄んだ空気の中で屋外展示がいっそう映えるこの季節に訪れたいのが、寄居町にある「埼玉県立川の博物館」です。荒川をテーマにした全国でも珍しい川の総合ミュージアムとして知られ、子どもから大人まで、楽しみながら川と人の関わりを学べる施設です。平成9年8月に「埼玉川の博物館」として開館して以来、荒川の成り立ち、流域の文化、治水の歴史をわかりやすく紹介してきました。私たちの暮らしを支えてきた埼玉の母なる川“ 荒川” を理解するとともに、環境保護、水循環、河川の浄化といった現代的な課題を体験しながら学べる魅力ある施設です。
TOPIX
「さいたま市リーディングエッジ企業」のご紹介
さいたま市 経済局商工観光部 企業成長推進課
さいたま市では、独創性及び革新性に優れた技術を持つ研究開発型ものづくり企業を「さいたま市リーディングエッジ企業」として認証しています。現在33社が認証されており、いずれの企業も、光学技術、自動車・航空機部品、情報通信機器、医療機器などの幅広い分野で世界トップクラスの技術力を有し、さいたま市のものづくりを牽引しています。