ぶぎんレポート

目次
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企業インタビュー
たゆまぬ技術革新で200年企業を目指す近代養鶏のパイオニア企業株式会社 愛鶏園 代表取締役社長 齋藤 拓 氏
- 農林水産省「畜産統計」によれば、国内の採卵鶏の飼養戸数は1955年の450万戸強から、2023年には1,640戸へと激減しており、採卵養鶏農場の大規模化が進んでいる。そうしたなか、神奈川県横浜市を創業の地とし、現在は埼玉県と茨城県で大規模な採卵養鶏農場を展開している愛鶏園は、200万羽の飼養羽数を有し、関東エリアで五指に入る規模を誇っている。創業者は鶏に愛情を注ぎ続け、その思いを連綿と受け継ぎながら、日本の養鶏業の発展に貢献し、2025年5月には創業100周年を迎えた。これまでの歩みのなかでの取り組みや苦労、さらに将来に向けて今後どのような考えで歩んでいくのかなど、齋藤拓社長にお話を伺った。
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調査レポート
埼玉県内企業のシニア雇用に関する調査ぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 大西 浩一郎
- シニアの雇用機会を確保し、活躍を促進することを目的とした「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)は、①希望者全員の65歳までの雇用確保の「義務」、②70歳までの就業確保の措置の「努力義務」を定めている。このうち前者は、平成24年(2012年)の法改正で義務化されたもので、本年3月末をもって経過措置期限が到来し、全面発効となった。ぶぎん地域経済研究所では、これを機に定例の企業経営動向調査(2025年7-9月)に付帯して「高年齢労働者の労務管理について」のアンケート調査を実施した。本稿は、県内企業の企業活動で重要性を増しているシニア(ここでは60歳以上)の雇用制度に関するレポートであり、県内各社に今後の取り組みの参考としていただくことを目的としている。
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彩の国企業探訪
株式会社アーベルソフト
- 現代社会はデジタル社会であり、デジタルがない社会生活はありえない。この時代の流れに乗って成長を続けているのがアーベルソフトだ。同社は、各種アプリケーションの開発や、データベース系システムの開発を得意とするソフトウェア開発企業で、2024年8月、創業40周年を迎えた。近年、普及が目覚ましいDXや生成AIなど、コンピュータの新技術に果敢に挑戦し、独自の新商品を開発、次なる創業50年に向けて快進撃を続けている。
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寄稿
社会インフラの老朽化問題: 経済財政面からの整理・考察埼玉大学経済学部 教授・副学部長 中川 忍 氏
- 2025年1月、埼玉県八潮市で大規模な道路陥没事故が発生した。これを受けて、埼玉県が設置した有識者による「原因究明委員会」は、同年9月4日に開催された第3回会合において中間取りまとめ結果を公表し、陥没は硫化水素によって腐食した下水道管に起因するものとの考えを示した。橋梁、道路、トンネル、上下水道などの社会インフラは、国民の日常生活にとって必要不可欠であり、正常に機能している時はほとんど意識されないが、ひとたび事故や不具合が生じると甚大な影響が及ぶ。本稿では、こうした社会インフラの老朽化リスクが日本全国および埼玉県に潜在的にどの程度存在するのか、補修・修繕といった維持管理にかかる費用はどれくらいに上るのか、そして今後どのように対策すべきかについて、経済・財政的な視点から整理・考察してみたい。
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地球を守る環境研究の最前線ー最終回
見えない魚を「水」から探る ― 環境DNA分析がひらく新しい生物調査埼玉県環境科学国際センター 水環境担当部長 木持 謙 氏
- 埼玉県環境科学国際センターは、「試験研究」「情報発信」「国際貢献」「環境学習」を4つの柱とする環境科学の総合的中核機関です。また、令和4年度からは研究成果の社会実装化を目指した取り組みも進めています。本連載では、社会実装化に繋がる研究を紹介します。今回は、今注目されている水質分析による生物調査「環境DNA(デオキシリボ核酸 )分析」について説明します。
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健康経営トップランナー企業の取り組み 第5回
健康経営は自律型組織への変革の起爆材となるーパナソニック関東設備株式会社ーキャリア&ライフサポーターズ株式会社 代表取締役社長 笹尾 佳子 氏
- 昨今、健康経営を経営戦略として積極的に取り組む企業が増えてきました。経済産業省などが健康経営を進める企業を顕彰する「健康経営優良法人認定制度」の中小規模法人部門で今年度19,796法人が認定を受けました。また、今年度より上位500社に認定される【ブライト500】に加え、上位501位から1500位までの企業を【ネクストブライト1000】の冠が付与されるようになりました。今回は健康経営開始後、初年度で【ネクストブライト1000】(4213社中600~650位) に認定され、短期間で自律型組織へ変革されたパナソニック関東設備株式会社の事例をご紹介いたします。
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経済コラム
chapter 85エンゲル係数からわかることぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 大西 浩一郎
- この頃は、スーパーのレジで金額をいわれ、「思ったより高いなあ」と感じることがしばしばです。そこで気になるのが、かつて習ったエンゲル係数です。これは家計(消費支出)に占める食料費の割合であり、高いと生活にゆとりがないとされます。総務省「家計調査」で公表されており、埼玉県ホームページでは「さいたま市」の時系列データをみることができます。さて、そのエンゲル係数ですが、2024年、わが国では28.3%と1981年以来43年振りの高さとなりました。さいたま市でも上昇傾向を辿り、特に過去1年は大幅に上がりました。エンゲル係数の上昇要因というと、人口動態の高齢化や賃金の伸び悩み、物価上昇などが挙げられます。
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埼玉の隠れた銘品百選63
パスタスナック三州製菓 株式会社
- 「パスタスナック」は、2001年に三州製菓株式会社(春日部市)が発売して以来ヒットし続けるおしゃれなスナックだ。一番人気のトマトのほか、ソルト、チーズなど8種類を定番に、「大宮ナポリタン」や季節限定の味を展開している。どれもしっかりとその味がする。パスタスナックの原料は、デュラムセモリナの本格パスタという「洋」の素材だが、実のところ、煎餅作りという「和」の技法の蓄積がなければ作れない。カリッと風味豊かに仕上げるためには、揚げ煎餅作りの米油を扱う技が必要だからだ。
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Information
ぶぎん地域経済研究所 海外視察インド経済視察のご案内
- ぶぎん地域経済研究所では、2025年度の海外視察先を「インド」に決定しました。ご承知の通り、インドは2023年、人口が14億人を突破し、中国を上回り、世界最大の人口大国になりました。また、インド人の平均年齢は28.8歳(2025年)で、今後20年以上、“人口ボーナス”が続くとされています。当研究所では、経済成長著しいインドについて、現在の社会、経済状況の実態、今後の対印投資の魅力などについて、情報収集も兼ねて視察を行います。今回は、首都、デリーを中心に、経済都市、グルガオンや日系企業も進出する工業団地などを訪問する予定です。是非、ご関心ある企業様のご参加をお待ちしています。
