ぶぎんレポート

目次
-
企業インタビュー
身体や心の痛みと向き合い、患者のQOL維持向上を支える緩和ケア専門病院医療法人社団サンセリテ 三浦病院 理事長・院長 菊岡 修一 氏
- 緩和ケアという言葉を聞いたとき、「最期の治療」や「諦めの医療」といったイメージを持つ人が多いのではないだろうか。しかし、現代の緩和ケアはまったく違った概念として発展しており、がんで苦しむ患者の身体的な苦痛はもとより、その家族も含めた精神的、社会的な問題にも適切に対処することによって、QOL(Quality of Life:生活の質)の向上を支援する包括的なアプローチとなっている。そうした緩和ケアにおいて、埼玉県内で最大級の病床数を有している三浦病院は、入院による診療のほか、外来、在宅診療と、患者に応じたさまざまな診療形態に対応している。同病院のこれまでの取り組みや来年完成予定の新病棟建設に向けた事業計画、今後の展望などについて、菊岡修一理事長にお話しをうかがった。
-
調査レポート
本田技研工業埼玉製作所狭山工場の生産終了に関する考察ぶぎん地域経済研究所 取締役調査事業部長兼上席研究員 博士(経営学) 藤坂 浩司
- 埼玉県は全国有数の製造業集積地域として知られているが、その一角を担っているのが輸送用機械器具産業である。工業製品出荷額等(2022年)の構成比で見ると、本県の工業製品出荷額全体(14兆7,998億円)の17.2%(2兆5,516億円)を輸送用機械器具が占め、第1位の産業となっている。この9割を占めるのが自動車産業である。自動車産業は裾野が広い産業として知られ、Tier1、Tier2と呼ばれる多層から成る部品産業で構成されている。そのため、完成車の生産拠点がある自治体、地域では、関連産業を含めて地域経済、地域社会に大きな影響を及ぼす。本稿では、2021年12月に四輪車の生産を終了した本田技研工業株式会社の埼玉製作所狭山工場をケースに、地域から自動車工場が無くなることで、どのような影響が出るのか考察する。
-
彩の国企業探訪
株式会社Mio
- 株式会社Mioは床暖房の販売、施工を手掛ける武蔵野総業の新規事業としてスタートした。武蔵野総業創業者の長男で社長を務める太田昇一朗氏をリーダーに事業は順調に拡大を続けている。大宮、浦和、川口で6拠点のレンタルオフィス「Mioオフィス」を展開しているほか、貸会議室を運営する「埼玉カンファレンスセンター」を通じて積極的な顧客開拓を進める。
-
TOPIX
修了生が語る ぶぎん経営幹部養成塾の魅力株式会社 熊谷青果市場 常務取締役 飛田 環 氏
- ぶぎん地域経済研究所では、次代を切り拓く経営幹部の育成を目的に、2011年度から毎年「ぶぎん経営幹部養成塾」(以下、養成塾)を開講(共催:武蔵野銀行)しており、これまでに延べ400名にのぼる修了生を輩出しています。今年度は「次世代業績基盤確立に向けてのリレーションシップ」をテーマに、昨年度に続いて、仮想企業の経営幹部となり、事業計画を立案し他社と競い合う企業戦略シミュレーションを採り入れるなど、実践さながらに経営手法を幅広く学ぶ予定です。また、グループディスカッションや1泊2日での合宿研修、交流会などを通じ、さまざまな考え方や情報を吸収できる全7回にわたるカリキュラムを用意しています。そこで今号では、前号に引き続き、昨年度の養成塾を修了された方にぶぎん経営幹部養成塾の魅力についてお話を伺いました。第2回として、株式会社熊谷青果市場の飛田さんの声をご紹介します。
-
地球を守る環境研究の最前線⑦
ドローンを活用して上空の大気汚染解明に挑戦埼玉県環境科学国際センター・研究推進室 副室長 米持 真一 氏
- 埼玉県環境科学国際センターは、「試験研究」「情報発信」「国際貢献」「環境学習」を4つの柱とする環境科学の総合的中核機関です。また、令和4年度からは研究成果の社会実装化を目指した取り組みも進めています。本連載では、社会実装化に繋がる研究を紹介します。今号では、ドローンを使った上空の大気汚染観測について解説します。
-
埼玉県健康経営トップランナー企業の取り組み 第1回
健康経営で経営戦略を加速させ、企業価値をあげる 自動切断機ニッチトップ企業キャリア&ライフサポーターズ株式会社 代表取締役社長 笹尾 佳子 氏
- 昨今、健康経営を経営戦略として積極的に取り組む企業が増えてきました。経済産業省などが健康経営を進める企業を顕彰する「健康経営優良法人認定制度」の中小規模法人部門で今年度19,796法人が認定を受けました。そのうち上位500に認定された埼玉県の【ブライト500】の企業の先進的な取り組み事例を連載でご紹介していきます。
-
経済コラム
chapter 81埼玉県の人口増加の裏側ぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 大西 浩一郎
- 去る4月、総務省は2024年10月1日時点の推計人口を発表しました。ニュースの見出しは「東京都と埼玉県だけ人口増加、日本の総人口は14年連続減少」。今回の結果を受けて私たちは諸手を挙げて喜ぶことができるのでしょうか。何か留意点はないのでしょうか。埼玉県の人口増加は紛れもない事実ではありますが、埼玉県として、少子高齢化を伴う日本人人口の減少に対応した施策は引き続き重要であり、他県同様、その手綱を緩めることはできません。また大変に多くの外国人が様々な理由で埼玉県を評価し、今後も在留者が増加し続けるとみられる中で、地域として彼らの力を取り込む取り組み― 包摂(インクルージョン)―を加速すべきではないか、またはそれに真剣に向き合うべきではないでしょうか。
-
埼玉の隠れた銘品百選59
志木織々 純米酒有限会社 大坂屋本店
- 埼玉は瑞々しい川の国。それは川越、川口など「川」の字がつく都市が多いことからもわかる。県南部に位置する志木市も、柳瀬川、新河岸川、荒川の三つの川、さらに野火止用水など、水とともに歴史を刻んできたまちである。今回紹介する「志木織々純米酒」は、川によって栄えた往時の当地へのオマージュである。水は志木水道庁舎の地下200メートルから汲み上げた深井戸水、米は100%市内産のコシヒカリ。醸造を「天覧山」で知られる五十嵐酒造(飯能市)に託した。口に含むと、まず米の甘味を感じ、次第にピリッと締まった辛さが前に出てくる。料理の味にも寄り添う旨口であるため、食中酒にも適する。その名のとおり、まさに志木の恵みのすべてを織り込んだ一品である。
-
Information
アメリカの地方都市を再生させた 「メインストリート・プログラム」とはメインストリート・マネジメント・リサーチ合同会社 代表社員 松本 博之 氏
- 「メインストリート・プログラム」は1970年代後半にダウンタウン(概ね日本の商店街と言われる地域とその周辺地区)の疲弊状態を危惧し、再活性化を希望する市民の声から始まりました。全米45州とワシントンDCやボストン等の大都市において、ダウンタウンのみならず周辺エリアを含めた地方創生戦略の中心として実践され、これまでに2,000を超える地域を再生させてきました。今般は多くの皆さんにメインストリート・プログラムを実践している各地域に行って活性化の事例を見ていただき、ご自分の街の活性化に役立ててほしいと思い、昨年に引き続き視察ツアーを企画いたしました。