調査レポート

ぶぎんレポート

ぶぎんレポート 2025年4月号
No.297
ぶぎんレポート 2025年4月号
ぶぎん経営者クラブ会員限定

目次

企業インタビュー
‟お客さま以上にお客さま目線” で地域のオンリーワンを目指す総合建設会社
平岩建設株式会社 代表取締役社長 平岩 敏和 氏
日本初の飛行場が開設され、「日本の航空発祥の地」とされる所沢で、終戦から間もない1946年に産声を上げた平岩建設。地域の復興や発展に尽力しながら建築、土木事業を拡大し、現在では埼玉県西部エリアを中心に、地域密着型企業として工場・倉庫、医療・福祉施設、教育施設、商業施設、文化・スポーツ・娯楽施設、住宅・マンション・事務所、公共施設などの建築工事や、道路、上下水道、河川などの土木工事に携わっている。また近年では、海外エリア(ベトナム・台湾)でのプロジェクトを展開し、さまざまな国籍の社員との協働や、最新技術を導入した建設DXなど、積極的に新たな事業・技術への挑戦も推進している。同社のこうした取り組みのほか、「安全・安心、高品質、より早く、より安く」を追求した経営方針や、社員全員が生き生きと働ける職場環境づくりなどについて、創業者の孫で3代目である平岩敏和社長にお話しをうかがった。
寄稿
第75回全国植樹祭の開催について
埼玉県 全国植樹祭推進課 総務・企画広報担当
「全国植樹祭」は、豊かな国土の基盤である森林・みどりに対する国民的理解を深めるために開催される、国土緑化運動の中心的行事です。昭和25年に山梨県で開催されて以降、各県持ち回りで、天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、県内外から多数の招待者を得て、毎年春に開催されています。このたび、「第75回全国植樹祭」を、66年ぶりに2回目として、今年5月25日(日)に埼玉県で開催します。全国植樹祭の式典会場及び植樹会場は、秩父市と小鹿野町にまたがり、秩父地域の豊かな自然に恵まれた「秩父ミューズパーク」です。
FOCUS
デジタル化技術で中小企業の競争力強化戦略を目指す
デジタルエンジニアリングアカデミー
武蔵野銀行 地域サポート部
データに基づいて企業戦略や意思決定を行うデータドリブン(DateDriven)経営が重視される中、アナログ情報をデジタル情報に変換することで、企業の事業運営に大きな質的変化がもたらされます。とりわけ、製造業では競争力の源泉となる生産現場のデジタル化が急務であり、今後のビジネス環境の変化に合わせて、マスカスタマイゼーションに適合する状態を構築しなければなりません。こうした環境変化に対応して、武蔵野銀行では、中小企業のデジタル変革を促す「デジタルエンジニアリングアカデミー」を主催しています。企業の現状を評価、分析し、将来の継続的発展に向けて、デジタル化を自らの力として構築するための活動を実施しています。本稿では、2024年度に実施したデジタルエンジニアリングアカデミーの「シーズン4」の結果を報告すると共に、2025年度からスタートする「シーズン5」について紹介します。
これからの経営戦略のキーワードは包摂(第5回)
職場のダイバーシティ推進におけるLGBT理解促進:社会心理学の視点から見る実態と課題
立命館大学スポーツ健康科学部 教授 清家 理 氏
本年1月、米国でトランプ大統領が多様性、公平性、包摂性(DEI)関連のプログラム廃止を指示した。この影響は、外資系企業を中心に、日本の企業文化にも多少の影響が出る可能性が高い。企業におけるDE&I施策は、従業員の多様性を尊重し、職場環境を改善する重要な取り組みである。特にLGBTに関する理解と支援の拡充は急務であり、書類改訂、職場環境の改善が進められている。LGBT理解増進法(2023年施行)は、企業におけるLGBT施策の転換点となりうる。本稿では、企業施策の変化と課題を追い、LGBT理解促進の方向性を探る。
TOPIX
埼玉県内でも年々盛り上がる! 大自然の中を走る『トレイルランニング』
奥武蔵ロングトレイルレース
“トレイル”とは、未舗装路の意味で、登山道、林道、砂利道などのことです。トレイルランニングは、様々な環境、地形を走る、アウトドアスポーツで、山岳 レースと呼ばれることもあります。近年、世界中で注目されており、日本でも愛好者、競技人口が年々増え、全国各地で大規模な大会が開催されています。奥武蔵ロングトレイルレースのコースは、飯能市の中央公園を起点とし天覧山から飯能アルプス、そして奥武蔵の山々を縦・横断し、総距離105㎞となります。都心から近く、交通至便で、その上獲得標高8,000m以上とエベレストに匹敵するほど高く、国内外より大変注目されています。
地球を守る環境研究の最前線④
PFAS 標準試薬用の高気密瓶開発
埼玉県環境科学国際センター 土壌・地下水・地盤担当 髙沢 麻里 氏
埼玉県環境科学国際センターは、「試験研究」「情報発信」「国際貢献」「環境学習」を4つの柱とする環境科学の総合的中核機関です。また、令和4年度からは研究成果の社会実装化を目指した取り組みも進めています。本連載では、社会実装化に繋がる研究を紹介します。本稿は“PFAS”(ピーファス)という有機フッ素化合物の総称で、現在世界中で健康影響が懸念されている化学物質について解説します。
経済コラム
chapter 78
県内インバウンド ―反転攻勢に向けて
ぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 大西 浩一郎
先月号の当欄、「厳しさが続く県内企業の景況感」では、2022年頃から足もとにかけて、県内企業の景況感は全国よりも厳しくなっている点を指摘しました。また、その要因の一つとして、埼玉ではインバウンド消費が相対的に弱いという点を挙げました。観光庁「インバウンド消費動向調査」(2024年7-9月)によると、当県の訪問率は0.6%、29位の地位に甘んじています。富士山や有名テーマパークなど、それだけで訪日目的になるような観光スポットがないためなのでしょうか。いずれにせよ、この辺りが当県の定位置なのです。
埼玉の隠れた銘品百選56
黒胡椒せん
新井製菓株式会社
袋を開けると、胡椒と醤油の強い香り、それとかすかにガーリックも感じる。口に入れると、米の甘さも加わった三位ならぬ四位一体の美味しさが広がる。スパイスのしびれが尾を引く中、次また次と手が止まらない。それが今回の銘品、「黒胡椒せん」だ。「おせんべいやさん本舗 煎遊」の屋号を持つ新井製菓の起源は、1924年(大正13年)、深谷の粋人とされた新井好四郎さんが、堅焼き塩せんべいを焼き、「ふ志みせんべい」の名で商い始めた時に遡る。以来100年、深谷の地で営々と煎餅作りを続けてきた老舗である。
ちょい旅彩の国⑬
~ つなぐ つながる つなげる ~
道の駅 べに花の郷おけがわ
3月27日(木)に県内21か所目となる道の駅「べに花の郷おけがわ」が、桶川市川田谷の国道17号上尾道路沿いにオープンしました。格子や下屋、切妻など、江戸情緒を取り入れたデザインとなっており、歴史と文化を継承しつつ、現代から未来へと発展を遂げるこれからの時代の桶川を表現しています。都心から40㎞圏にあり、圏央道桶川北本ICに近いことから、「県内、関東圏の観光のハブ」として、また首都圏における広域災害時の後方支援拠点としての機能も期待されている道の駅「べに花の郷おけがわ」をご紹介します。
ぶぎん地域経済研究所 海外視察
マレーシア・シンガポール経済視察ツアー報告
ぶぎん地域経済研究所 調査事業部長  藤坂 浩司
ぶぎん地域経済研究所は、2025年2月18日-2月22日まで3泊5日の日程で、マレーシア(クアラルンプール、マラッカ、ジョホールバル)、シンガポールを訪ねました。今視察は、 産業の高度化や教育水準の向上などで経済成長が進展し、今後、先進国入りの可能性が高いマレーシアと、東南アジアにおける商業と金融の中心地、シンガポールを陸路で縦断する企画で、視察には事務局を含めて13名が参加し、企業視察4社(日系企業3社、現地企業1社)をはじめ、マレーシアの首都、クアラルンプールの周辺に位置する自治体、セランゴール州の政府機関、INVEST SELANGOR担当者より地域の魅力などについて伺いました。