ぶぎんレポート

目次
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企業インタビュー
日本の菓子文化を製造で支え続ける製菓機械メーカー株式会社マスダック 代表取締役会長 増田 文治 氏
- 日本が世界に誇るモノの1つに菓子がある。各地の銘菓や高級菓子に加えて、誰でも手軽に購入して食べられる駄菓子など、菓子は日本文化そのものと言っても過言ではない。この菓子文化をモノづくりで長年にわたり支え続けているのが、所沢市に本社、入間市に機械工場を構える株式会社マスダックだ。1959年、業界初の「自動どら焼機」を開発したのを皮切りに、以来、様々な製菓機械の開発を通じて日本の菓子業界に貢献してきた。新規事業として1974年にスタートした食品事業部では、顧客からの要望に基づき菓子商品を開発、生産するが、同事業の中から生まれた「東京ばな奈『見ぃつけたっ』」は、東京銘菓として大ヒットし、ロングセラー商品となる。一方、新型コロナウィルス感染症では、大きな試練を迎えたが、困難を乗り越えて次代の体制を構築した。これまでの事業の経緯や今後について増田会長に話を聞いた。
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調査レポート
埼玉県内の産業に影響を与える自動車メーカーのEVシフトぶぎん地域経済研究所 取締役 調査事業部長兼上席研究員 博士(経営学) 藤坂 浩司
- 自動車産業で、近年、急速な進展が見られる「EV(電気自動車)」について、埼玉県内の産業への影響を、自動車産業の集積地域および自動車メーカー政策と照らしながら考察する。中でも本田技研工業株式会社(以下ホンダ)は本県内に生産拠点を構える乗用車メーカーだが、日産自動車株式会社と並んで、EVシフトへの事業戦略をいち早く強化、推進している。今後、現在の政策を引き続き継続していく場合、埼玉県の自動車産業にどのような影響が予想されるのか、本稿では各種統計およびホンダが発表する公開情報、メディア記事等を基に考察する。
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彩の国企業探訪
株式会社デジタルベリー
- 株式会社デジタルベリーは企業向けのホームページを中心にデジタルカタログや印刷物の制作を行うクロスメディア型総合提案企業として成長を続けている。2019年にスタートした中小製造業向けサイト「製造業ドットコム」は、製造業に特化したホームページ制作サイトとして業界トップの地位を確立している。苦しい時期を乗り越えながら2024年8月、創業から20年を迎え、今後は2026年の株式上場を目指して、さらなる飛躍を目指している。
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ぶぎん海外駐在員通信 ⑥
香港における日本食について武蔵野銀行市場国際部 海外進出支援室(千葉銀行香港支店 出向)大澤 直紀
- 武蔵野銀行は国際業務を推進する目的で、シンガポール、バンコク、香港に行員を駐在・派遣しています。本連載は現地行員によるリレーエッセイとして毎回、現地の生活事情やトピックスをお伝えします。本レポートでは、香港における日本食についてご紹介させていただきます。
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TOPIX
SIP包摂人的資本経営セミナー 講演録「健康経営が中小企業の生産性を向上させる」
- 武蔵野銀行、ぶぎん地域経済研究所は、筑波大学スマートウエルネスシティ政策開発研究センターと共催によるSIP包摂人的資本経営セミナー「健康経営が中小企業の生産性を向上させる」を9月19日に開催した。本セミナーは、ぶぎん地域経済研究所が内閣府の委託調査で、埼玉県内の中小企業100社を対象に女性従業員の健康管理の実態を調査したところ、多くの企業で、経営者が健康経営や女性従業員の健康管理について、“ 関心があるものの、どのような対応をすれば良いか分からない“ という結果が出たことから、中小企業経営者を対象に、健康経営の意義や従業員の健康と企業の生産性との相関関係について情報提供する機会として実施した。セミナーでは、埼玉県内を中心に100社を超える中小企業の経営者が参加し、健康経営に関する研究者をはじめ、政府関係者、コンサルタント、企業経営者など、それぞれの専門分野から知見を披露した。
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これからの経営戦略のキーワードは包摂(第1回)
今なぜ「包摂」の推進が必要なのか― 埼玉モデルの確立を目指して ―筑波大学大学院人間総合科学学術院 教授 内閣府戦略的イノベーション創造プログラムディレクター 久野 譜也 氏
- 内閣府は、我が国の14の政策課題に対して科学技術を基盤として解決を目指す「戦略的イノベーション創造プログラム:SIP(第3期)」を昨年度から5年間の予定でスタートしています。その14課題の一つが、「包摂的コミュニティプラットフォームの構築」という課題になります。「包摂」課題では、包摂を「社会の寛容性」と「個人の自律性」を高めることと定義しました。また、最近経営の分野でも「D&I経営」という単語が良く用いられており、DはDiversity(多様性)、Iは包摂(Inclusion)ですが、我々のプロジェクトでは、この多様性という概念も含めて捉えています。
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経済コラム
chapter 74埼玉の食産業はもっと目立って!ぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 大西 浩一郎
- 埼玉県は押しも押されぬ「食の王国」です。経済産業省・2023年経済構造実態調査で食料品の製造品出荷額をみますと、わが埼玉は2.1兆円で、これは北海道に次ぐ全国2位。3位以下を引き離し、全国の6.7%という大きなシェアを握っています。隠れた食の王国、埼玉。大消費地に近く、交通網が整い、工場向けの土地が広がっているという、絶妙な条件からもたらされた現在の隆盛なのでしょう。基本的には「作れば売れる」わけですから、ことさら前に出る必要はないという心情もあったことと思います。しかし、確固たる地域ブランドとなれば少々高い値段でも国内消費者は喜んで買うでしょうし、訪日外国人を惹きつけたり、またその先には、海外への輸出を伸ばしたりといった展望も拓けます。
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埼玉の隠れた銘品百選52
直実(なおざね) 特別純米権田酒造株式会社
- 暑さで有名な熊谷は、水のまちでもある。この土地で接近する利根川と荒川が幾度となく氾濫して形成された複雑な地層が、清浄な伏流水をもたらしている。また、ちょうど20年前の2004年、埼玉農林総合研究センターは10年余りの歳月をかけて、酒米「さけ武蔵」を作出した。この良き水と埼玉の米から生まれたのが、熊谷唯一の酒蔵、権田酒造株式会社の「直実 特別純米」である。4年におよぶ試行錯誤を経て、権田清志社長(六代目)は「やや辛口で飲み飽きしない、冷でも燗でもおいしいお酒」に仕上げた。
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シリーズ 中小企業の経営と営業の戦略
第52回講座中小企業がカスタマーサクセスを取り入れる方法ランチェスター戦略コンサルタント 福永 雅文 氏
- 大企業と中小企業とでは経営も営業もやり方が違う。小が大に勝つ原理原則と実務として長く中小企業の戦略づくりに活かされてきた「ランチェスター戦略」の専門家で埼玉県の企業の経営相談の実績も豊富なコンサルタント福永雅文氏が中小企業の経営と営業の戦略を事例も交えて解説していく。