調査レポート

ぶぎんレポート

 ぶぎんレポート 2024年7月号
No.289
ぶぎんレポート 2024年7月号
ぶぎん経営者クラブ会員限定

目次

企業インタビュー
カネパッケージグループ入りで生まれ変わる 吸引器で国内トップの医療機器メーカー
株式会社三幸製作所 代表取締役社長 金坂 良一 氏
ホコリや細菌などの異物が体内に入らないようにするため、人間はたんや唾液に絡め、咳をすることで外に出している。しかし、加齢や病気などで、それができなくなった時に使われるものが「吸引器」だ。その吸引器で国内シェアの約40%を握っているのが、さいたま市内に本社工場を構える三幸製作所である。宇賀神守雄氏によって1958年に創業された医療機器メーカーで、長年に亘って実績を重ねてきた。しかし、後継者難という問題に直面し、2019年にカネパッケージのグループに入り、同社の金坂良一氏が両社の社長を兼務するようになる。どのような出会いがあり、グループ内でどういった相乗効果が生まれつつあるのか。そして、三幸製作所がどのように生まれ変わろうとしているのかなどを、金坂社長に聞く。
調査レポート
多様化する小売サービス価格の最新動向
ぶぎん地域経済研究所 調査事業部 主任研究員 加藤 達朗 
原材料価格や物流費、人件費など、さまざまなコストの上昇を受け、その上昇分を取引価格に転嫁し、賃上げの原資を確保しようとする企業の動きが活発化してきている。政府は、価格の上昇によって企業収益を拡大し、さらに賃上げへと波及する好循環を目指しており、物価の変動への注目度はいまだかつてないほどに高まっているといえる。これまで企業の価格設定は、同じ商品・サービスであれば価格も同一という意識が根強かったものの、昨今は地域や日時によって価格設定を変える企業も増えてきている。本稿ではそうした企業の価格改定の動向や価格の最適化に向けたさまざまな取り組み、今後の展望などについてまとめた。
彩の国企業探訪
有限会社 満寿家
~明治21年創業の老舗鰻屋
サッカーのイメージが強い埼玉県の浦和(さいたま市)ではあるが、浦和は古くから「うなぎのまち」としても知られ、さいたま市は浦和のうなぎを、岩槻の人形、大宮の盆栽と並ぶ市の伝統産業としても認定している。そうした浦和の地で創業以来、130余年ものあいだ伝統の味を守り続ける老舗「うなぎ 満寿家(ますや)」は、JR浦和駅西口から徒歩5分ほどの旧中山道沿いにある屈指の人気店。その料理へのこだわりや、浦和のうなぎ文化を守っていく取り組みなどについてご紹介したい。
FOCUS
法人クレジットカードが支える企業のDX
企業間取引における法人カードの新しい価値を提供するJCB の戦略とは
株式会社ジェーシービー(以下、JCB)は、日本発唯一の国際ペイメントブランドとして、日本だけでなく海外まで幅広く事業を展開しています。JCBは、個人カードの分野だけでなく、法人カードの分野でも、多様な機能やサービスを提供しており、企業の経営課題を解決するパートナーとして活躍しています。法人カードは、法人間取引のキャッシュレス化、経理業務の効率化、セキュリティ対策など、企業のDXに貢献することで、企業が本業に集中できる環境作りに役立つツールとして拡大しています。
TOPIX
修了生が語る
ぶぎん経営幹部養成塾の魅力
2023年度修了生 平和産業株式会社   品質保証部 部長 後藤 政宏 氏
ぶぎん地域経済研究所では、次代を切り拓く経営幹部の育成を目的に、2011年度から毎年「ぶぎん経営幹部養成塾」(以下、養成塾)を開講(共催:武蔵野銀行)しており、これまでに延べ360名以上の修了生を輩出しています。昨年度は「新たな経営手法と未来戦略を創造する」をテーマに、アフターコロナの経営環境を踏まえたDX戦略や、ダイバーシティ&インクルージョン(多様な人材を受け入れ、その能力を発揮させる考え方)等の旬のトピックスも取り入れ、トレンドを押さえた経営手法を幅広く学びました。グループディスカッションや1泊2日での合宿研修、交流会などを通じ、さまざまな考え方や情報を吸収できる全7回にわたるカリキュラムとなっています。今号と次号では、修了生からその貴重な体験談を伺い、養成塾の魅力についてご紹介いたします。第1回は平和産業株式会社(さいたま市南区)の後藤さんにお話しを伺いました。
寄稿
埼玉県の偉人・渋沢栄一翁の足跡をたどる
第2回 魅力溢れる渋沢翁ゆかりの地を紹介
埼玉県産業労働部観光課 DMO支援・観光振興担当
令和6年7月3日、いよいよ渋沢栄一翁が描かれた新一万円札が発行されます。県では新紙幣発行を契機とし、本県ゆかりの偉人である渋沢翁を軸とした観光振興に取り組んでいます。6月号掲載の第1回では、新一万円札の発行に掛けた「1万」をキーワードとした観光・物産関連商品の企画の促進等、渋沢翁を軸とした今年度の県観光施策についてご紹介しました。第2回は、「近代日本経済の父」と称される渋沢翁の生涯と、出身地である深谷市内の史跡や渋沢翁にゆかりのある県内の観光スポットを紹介します。
経済コラム
chapter 70
活気ある埼玉県経済の将来に向けて
前 ぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 土田 浩
人口減少時代に突入した日本。地域経済の活力向上のために、人口動態の重要性が強く意識されるようになりました。人口予測は最も精度の高い将来推計だと言われますが、そのうちの「社会移動要因」(地域間の移動による増減)に関しては、長い目で見れば、地域の意志や戦略が強く反映されると感じます。その意味では、埼玉県には大きな期待が持てますが、と同時に決して安泰ではないとも言えます。全国を見渡すと、自分たちの街を自分たちで盛り上げようとする積極的な活動家が、よくメディアに登場します。地元を盛り上げるのは、自治体や経済団体、地場有力企業だけではなく、熱意溢れる住民パワーなのだということを忘れずにいたいものです。
埼玉の隠れた銘品百選㊽
春日部張子人形
招き猫本舗 玩古庵
張子とは、和紙を型に張り重ね、乾燥させた後で型から抜き取り、彩色をして作り上げたものである。定番は、招き猫やダルマ。インバウンド観光客からも大人気で、銀座やスカイツリーなどの土産物店からは大量の注文が入ってくるそうだ。手漉き、手張り、手書きと、すべての工程が手作業。一品ずつ形も表情も微妙に違うのが面白い。伝統工芸でありながら、その枠に収まらない自由奔放な創作活動が当家の特徴でもある。
シリーズ 中小企業の経営と営業の戦略
第48回講座
スイートスポット戦略 差別化の決め手
ランチェスター戦略コンサルタント 福永 雅文 氏
大企業と中小企業とでは経営も営業もやり方が違う。小が大に勝つ原理原則と実務として長く中小企業の戦略づくりに活かされてきた「ランチェスター戦略」の専門家で埼玉県の企業の経営相談の実績も豊富なコンサルタント福永雅文氏が中小企業の経営と営業の戦略を事例も交えて解説していく。