調査レポート

ぶぎんレポート

 ぶぎんレポート 2024年6月号
No.288
ぶぎんレポート 2024年6月号
ぶぎん経営者クラブ会員限定

目次

企業インタビュー
"東京一安い居酒屋" から オリジナリティ重視の店舗経営に注力する
株式会社一休 代表取締役社長 金子 清範 氏
株式会社一休は、東京都東村山市に本社を構える飲食チェーン。主力の居酒屋チェーン「一休」をはじめ計27店舗を展開し、“毎日旨くて安い店” をキャッチコピーに競争激しい飲食業界で成長を続けている。近年はSDGs経営を標ぼうしており、廃棄処分されていた地元の多摩湖梨から搾ったシロップを使ったオリジナルサワーを商品化し人気を集めている。新型コロナウィルス感染症が飲食業界を直撃する最中、実兄から社長業をバトンタッチして現在、ポストコロナ経営に邁進している。そこで事業承継の経緯や今後の展望について金子清範社長に話を聞いた。
調査レポート
春季賃上げと物価、個人消費
ぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 土田 浩 
昨2023年の春闘では、物価の上昇と人手不足の深刻化を背景に、実に30年ぶりとなる大幅な賃上げが実現した。しかしながら、根強い消費者物価の上昇を受けて、実質賃金は前年比マイナスの状態が続いている。そうした中で迎えた24年春闘では、昨年にも増して賃金を引き上げる機運が高まり、今後、実質賃金がプラスに転じるか、所得の増加が個人消費の拡大につながるかが、日本の景気を見通す上での焦点となっている。そこで本稿では、賃金を巡る過去の経緯を振り返ったあと、今年の春闘の状況を概観する。続いて、消費者物価と実質賃金の動向、個人消費の動向を確認し、最後に、今後の日本経済に資する賃金のあり方を考えることとしたい。
彩の国企業探訪
株式会社 ジャンプ
株式会社ジャンプは、1967年に創業した食肉販売専門店で、「jump」「フレンズ」「肉匠かみむら」の3ブランドで関東圏を中心に37店舗を展開している。創業以来、「食肉を通して食文化の向上に少しでもお役に立ちたい」を経営方針に掲げて、多店舗戦略を軸に業容拡大を続けている。3年後の2027年7月には創業60年を迎えるが、さらなる“飛躍”に向けて経営強化を進めている。
講演録
イノベーションから学ぶ製造業の行方
中小製造業は技術革新にどう立ち向かうのか
ぶぎん地域経済研究所 調査事業部長兼上席研究員 博士(経営学) 藤坂 浩司
第二次世界大戦後、わが国では数多くの技術イノベーションが生まれ、それぞれの技術が私たちの社会生活に浸透し、多くの人が技術の恩恵を受けている。新たなイノベーションが起きた時、そのイノベーションの社会的、経済的影響が大きいほどイノベーションの影響を受ける中小企業が容易に対応することは難しい。経済産業省は近年、わが国の製造業は製造だけでは付加価値を維持できないため、製造業に対して企画・開発やアフターサービスへの注力を促し始めている。日本の製造業の生産性向上には、品質や製造工程の強みを維持・強化しつつ、「企画・開発」「流通・販売」「サービス」分野を強化していくことが求められる。
寄稿
埼玉県の偉人・渋沢栄一翁の足跡をたどる
第1回 渋沢翁を軸とした今年度の県観光施策
埼玉県産業労働部観光課 DMO 支援・観光振興担当
令和6年7月3日、埼玉県出身の渋沢栄一翁が描かれた新一万円札が発行されます。一万円札の刷新は聖徳太子から福沢諭吉に変更された1984年以来、40年ぶりとなります。新紙幣には、肖像画を立体的に見せるホログラム技術が世界で初めて採用されました。また、視覚障害者に配慮した深凹版印刷、額面数字の大型化など、ユニバーサルデザインにも配慮したものとなっています。県では新紙幣発行を好機と捉え、本県ゆかりの偉人である渋沢翁を軸とした観光振興に取り組んでいます。今回から全3回で、今なお私たちの心に深い感銘を与え続けている渋沢翁とそのゆかりの地の魅力について、本県の観光施策と併せてご紹介します。
経済コラム
chapter 69
為替円安と国際収支構造の変化
ぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 土田 浩
為替円安は、一般家計や内需型中小企業にとっては大きな痛手である。貯蓄・投資している円資産が 目減りするし、物価上昇によって実質購買力も低下する。他方で、海外事業展開をしている大企業は、(円換算ベースでは)収益が上振れするので、トリクルダウンがスムーズに進まない現状では、国内の格差拡大をももたらす。最近海外旅行をする日本人からは、現地の物価高に満足な食事もできないと聞く。稼ぐために海外に赴く若者も増えている。他方で、インバウンド旅行客の爆買いはますます気前が良くなるし、海外資産家の日本の不動産購入も呆れんばかりである。残念ながら、為替レートを政策的に水準調整させるような方策は存在しない。円通貨圏である日本のフィールドが、全体として魅力を増すことでしか通貨価値を高める方法はないのである。
埼玉の隠れた銘品百選㊼
超磁場活水器コスモス
有限会社 野火止製作所
新築だったマイホームも、25年くらい経つと水道の配管が傷んでくる。赤水とか水漏れによって気付かされる。そんなとき、かつてであれば給排水管の交換という大工事をする必要があったが、それに代わってこの「超磁場活水器コスモス」を導入すれば、短時間・低コストで補修できるのである。水道水の流れに対して強力な磁石が作用することで、使いながらにして錆びの原因となるようなカルシウムが取り除かれていく。そうすることで、半永久的に給排水管が長持ちするのである。
シリーズ 中小企業の経営と営業の戦略
第47回講座
いまの仕事を好きになってこの会社でがんばる方法
大企業と中小企業とでは経営も営業もやり方が違う。小が大に勝つ原理原則と実務として長く中小企業の戦略づくりに活かされてきた「ランチェスター戦略」の専門家で埼玉県の企業の経営相談の実績も豊富なコンサルタント福永雅文氏が中小企業の経営と営業の戦略を事例も交えて解説していく。