調査レポート

ぶぎんレポート

ぶぎんレポート 2024年3月号
No.285
ぶぎんレポート 2024年3月号
ぶぎん経営者クラブ会員限定

目次

企業インタビュー
どこよりも丁寧な仕事で顧客の信頼を得る 埼玉県内トップの総合電気工事会社
三位電気株式会社 代表取締役社長 佐藤 仁 氏
住宅やオフィスビル、工場、病院など、さまざまな建築物の電気設備工事を手掛け、屋内電気工事分野において埼玉県内トップの売上高を誇っている三位電気。とくにマンションにおける施工実績が豊富で、1,000戸を超えるような大規模マンションの電気工事も数多く請け負い、近年では2021年に開催された東京オリンピック・パラリンピック選手村の工事も同社が手掛けている。1971年の創業以来、技術力や対応力を強みとして順調に業績を伸ばし、その丁寧な仕事ぶりは元請けであるゼネコン各社からも高い評価を得てきた。社内各部署や現場に携わる協力会社がともに支え合い、一体となって「名実ともに、優れた魅力ある会社づくりを目指す」という企業理念のもと、さまざまな課題に挑戦し続ける佐藤仁社長にお話しをうかがった。
調査レポート
市場転換事例から考察するEV シフト
ぶぎん地域経済研究所 調査事業部長兼上席研究員  藤坂 浩司 博士(経営学)
近年、自動車産業では内燃機関からEV(電気自動車)への市場転換が世界的に進もうとしている。“EVシフト”とも呼ばれ、完成車メーカーから部品を納める協力事業者まで、自動車産業に関わる事業者が今後の市場動向を注視している。一方、今後のEVシフトの加速を睨んで行政機関では対策を急いでおり、埼玉県では自動車産業に関わる中小、零細の製造業者、特にエンジン関連部品を製造する事業者などに市場転換に関する情報発信などを行っている。そこで本稿では、新技術や新製品の登場がどのように市場転換につながるのか、過去のケーススタディを踏まえながら、注視されるEVシフトについて考察する。
寄稿
埼玉版SDGsの推進
ーこれまでの成果と今後の展望
埼玉県 企画財政部 計画調整課 総括・SDGs 推進担当
県では、あらゆる人に居場所があり、活躍でき、安心して暮らせる「日本一暮らしやすい埼玉」を実現するため、県民の皆さまや企業・団体、市町村など多様なステークホルダーとの協働を通じ、ワンチーム埼玉でSDGsを推進する「埼玉版SDGs」を展開しております。今回は、「埼玉版SDGs」のこれまでの成果と今後の展望について御紹介します。
彩の国企業探訪
株式会社 海幸水産
株式会社海幸水産は埼玉県内の小中学校向けに学校給食に使われる食材の卸し、食品加工を手掛けている。深井勇哉社長は、前社長で実父が5年前に逝去し、26歳という若さで4代目社長に就任した。就任後には、新型コロナウィルス感染症の影響で学校給食が一時期、停止する予想外の事態にも見舞われたが、持ち前の前向きな姿勢と営業力強化、そして同業他社の撤退に伴うシェア拡大などにより、4期連続で最高売上を更新している。
経済コラム
chapter 66
高齢社会白書を読んで
ぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 土田 浩
「高齢社会白書」(内閣府)を読んでみた。高齢化の状況や、政府が講じた高齢社会対策の実施状況、および今後講じようとする施策が纏められている。白書には様々な統計やアンケート調査結果が掲載されているが、その中で目を引いたのは、就労意欲の強さである。現在仕事(収入のある仕事)をしている60歳以上の者については、約4割が「働けるうちはいつまでも働きたい」と回答している。70歳までまたはそれ以上との回答と合計すると、約9割に上る。就労と並んで、生活のリズムを形成するのが学習・社会参加である。65歳以上の者で何らかの学習活動に参加している人は3割に上る。人生100年時代と言われる現代。高齢者と呼ばれるようになってからも、何かに打ち込み、日々の生活に意味を持たせることは大切だ。もちろん健康あっての日常活動なのだが、そうした意味ある活動が健康寿命を延ばすという側面もあろう。
埼玉の隠れた銘品百選㊹
えごま油/ふりふり荏胡麻
有限会社 モリシゲ物産
秩父の畑で無農薬有機栽培されたえごまを、近接する工場で製油する。薬品を使わず圧力をかけてゆっくり絞り、脱臭脱酸を行わないことで種子そのものの栄養を残す。えごまを粒のままふりかけにしたのが「ふりふり荏胡麻」。えごまのプチプチ感に梅塩のさっぱり感が加わるユニークな味わいである。油とふりかけ、どちらも「食の3重丸」(日本産・安心・美味しさ)の認定を受けるなど、まさに埼玉の隠れた銘品である。
ぶぎん税務相談 
第66回講座
雑感
当社(ぶぎん地域経済研究所)が年間11回発行する「ぶぎんレポート」の220号をスタートに掲載をしてまいりました「ぶぎん税務相談室」を、今月号の掲載をもって一時お休みをいただくことになりました。長らくのご愛読に感謝申し上げますとともに、皆様方からのご指導、ご要望をいただきまして、より成長した「ぶぎん税務相談室」の再スタートに努めてまいりますので、従来にも増して、ご指導ご鞭撻を賜りますようお願いいたします。
シリーズ 中小企業の経営と営業の戦略
第44回講座
中小企業は実証・実績・付加価値を示せ
ランチェスター戦略コンサルタント 福永 雅文 氏
大企業と中小企業とでは経営も営業もやり方が違う。小が大に勝つ原理原則と実務として長く中小企業の戦略づくりに活かされてきた「ランチェスター戦略」の専門家で、埼玉県の企業の経営相談の実績も豊富なコンサルタント福永雅文氏が中小企業の経営と営業の戦略を事例も交えて解説していく。
中堅・中小企業のための広報PR㉒
広報をもっと身近に
今、急成長中の「音声メディア」とは
株式会社 アネティ 代表取締役 仲村 明子 氏
インターネットやデジタルデバイスの発達により、マスコミを経由する方法以外にも、自社メディアやSNSを通じて直接広報PRができる時代になりました。広報PRは、ステークホルダーの共感や信頼を得て、売上拡大や人材獲得につなげる大変有効な活動です。このコラムでは、中堅・中小企業の皆さまが広報PRを身近に感じ、すぐにでも着手していただけるよう、考え方や方法についてわかりやすく解説していきます。
健康経営
ホワイト企業にしか良い人財は集まらない時代に 健康経営を経営戦略として考える
ー第3回ー
キャリア&ライフサポーターズ株式会社 代表取締役社長 笹尾 佳子 氏
新型コロナウイルスを経た健康意識の高まりなどを背景に、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践する「健康経営」に取り組む中小企業が増加しています。健康経営とは、従業員等の健康保持・増進の取り組みが、将来的に企業の収益性等を高める投資であるとの考えのもと、従業員等の健康管理を経営的な視点から戦略的に実践し、従業員の活力や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績の向上や企業価値の向上に繋がることが期待されています。