調査レポート

ぶぎんレポート

ぶぎんレポート 2024年2月号
No.284
ぶぎんレポート 2024年2月号
ぶぎん経営者クラブ会員限定

目次

企業インタビュー
和紙の製法を活かすガスケット材料メーカー
セキネシール工業株式会社 代表取締役社長 関根 俊直 氏
「武蔵の小京都」と呼ばれる埼玉県小川町は、豊かな自然に囲まれ、そこから産出された原材料を使った絹や建具などの伝統産業が生まれ、和紙もその一つ。そして、その「手漉き工法」を活用して、自動車のエンジン回りなどで使われるガスケット材料であるオイルシートの製造を、終戦後の1946年から始めたのが「セキネシール工業」の前身となる「関根製作所」だった。現在では、同じガスケット材料であるビーターシートで約8割のシェアを握っている。しかし、自動車業界にはEV(電気自動車)化という荒波が押し寄せ、大きな転換期を迎えようとしている。そして、今年1月に3代目の社長に就任した関根俊直氏は、「特殊機能紙」という原点に立ち返りながら、新たな事業領域を切り拓こうとしている。
調査レポート
埼玉県の民間設備投資の動向 ―― 産業用建築投資を中心に
ぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 土田 浩
県内総生産(県内GDP)において、個人消費に次ぐウェイトを占めるのが民間設備投資である。民間設備投資の内訳は、大きく機械類(資本財)と建築物に分けられるが、本稿では、地域別のデータが存在する建築物への投資について、各種統計データを用いて分析することとする。
彩の国企業探訪
株式会社 リゾート花湯の森
株式会社リゾート花湯の森は、本社のある深谷市を中心に、主に国道17号線沿線にスーパー銭湯やスパリゾートなど温浴施設を6軒、ホテルを8軒、ゴルフのショートコースを1箇所運営(2024年1月現在)している。2006年の設立からわずか18年でこれら施設を展開、急成長を遂げている。伊藤良夫会長が長年、不動産業で培った土地開発と物件再生の手腕を発揮した成果で、今後のさらなる事業展開が注目されている。
TOPIX
建設業における人材育成と働き方改革の事例紹介
―― 伊田テクノス株式会社
建設業が抱える長時間労働や人手不足といった課題に早くから取り組んできた総合建設企業の伊田テクノス(埼玉県東松山市)は、2023年11月、国土交通省「建設人材育成優良企業」の国土交通大臣賞を受賞した。そこで、今回の受賞に際し高く評価された、同社が社内に開設した職業訓練校「伊田テクノカレッジ」における人材育成の取り組みと、建設現場のバックオフィス業務を担う「建設ディレクター」を活用した働き方改革の取り組みを中心に紹介したい。
経済コラム
chapter 65
物価上昇と個人消費
ぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 土田 浩
物価が上がれば、賃上げの機運も高まる。折からの人手不足も重なって、企業経営者も賃上げを積極化した。2023年の春季賃上げ率の前年比は、定期昇給込みで3.58%と30年ぶりの増加率になった。このうちベースアップ分は2%弱とみられるが、前年まで、ベースアップはほぼゼロであっただけに、画期的な動きであったと言えよう。しかしながら、今回の物価上昇は想定以上に根強い。直近の日銀の「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」を見ても、まだまだ24年度も物価上昇が残る姿になっている。春季賃上げ交渉が近づいてきた。昨年度を上回るベースアップは果たして実現するだろうか。さもないと、我慢してやりくりしてきた国民に、さらなる節約を迫ることになる。
埼玉の隠れた銘品百選㊸
ジェットクリーン ポータブル
株式会社 ドリテック
お口のケアは、いまや日本人の身だしなみ。そんな中で新登場したのが、この小型の口腔洗浄器。水流で歯間をすばやく洗浄する人気商品である。「暮らしに関わる全てに、便利さを提供してゆくこと」を目指すドリテック社。社内の改善提案をもとに、簡易な機構にして部品点数を減らすなどして小型化に成功したのだそうだ。歯科矯正中の人にも必須のアイテムである。
ぶぎん税務相談 
第65回講座
路線価図の見方について
今月は、路線価図の見方についてのご質問です。路線価等の調べ方については、昨年の12月号のこのコーナーでご紹介しましたので、今月は路線価図の見方と評価額の簡単な計算例をご紹介します。
シリーズ 中小企業の経営と営業の戦略
第43回講座
5つの売上増大策
ランチェスター戦略コンサルタント 福永 雅文 氏
大企業と中小企業とでは経営も営業もやり方が違う。小が大に勝つ原理原則と実務として長く中小企業の戦略づくりに活かされてきた「ランチェスター戦略」の専門家で、埼玉県の企業の経営相談の実績も豊富なコンサルタント福永雅文氏が中小企業の経営と営業の戦略を事例も交えて解説していく。
中堅・中小企業のための広報PR㉑
広報をもっと身近に
広報を通じて外国人留学生への理解を深め採用を促進
株式会社 アネティ 代表取締役 仲村 明子 氏
インターネットやデジタルデバイスの発達により、マスコミを経由する方法以外にも、自社メディアやSNSを通じて直接広報PRができる時代になりました。広報PRは、ステークホルダーの共感や信頼を得て、売上拡大や人材獲得につなげる大変有効な活動です。このコラムでは、中堅・中小企業の皆さまが広報PRを身近に感じ、すぐにでも着手していただけるよう、考え方や方法についてわかりやすく解説していきます。
健康経営
ホワイト企業にしか良い人財は集まらない時代に 健康経営を経営戦略として考える
ー第2回ー
キャリア&ライフサポーターズ株式会社 代表取締役社長 笹尾 佳子 氏
新型コロナウイルスを経た健康意識の高まりなどを背景に、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践する「健康経営」に取り組む中小企業が増加しています。健康経営とは、従業員等の健康保持・増進の取り組みが、将来的に企業の収益性等を高める投資であるとの考えのもと、従業員等の健康管理を経営的な視点から戦略的に実践し、従業員の活力や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績の向上や企業価値の向上に繋がることが期待されています。