調査レポート

ぶぎんレポート

ぶぎんレポート 2023年10月号
No.280
ぶぎんレポート 2023年10月号
ぶぎん経営者クラブ会員限定

目次

企業インタビュー
ウェルビーイングでさらなる高みを目指す グローバルニッチトップ企業
ワックデータサービス 株式会社 代表取締役社長 渡辺 和久 氏
靴下やストッキング、タイツなどのニット製品を編むうえで欠かせない装置が、ワックデータサービスの圧電セラミックスを利用したアクチュエータとそのコントローラだ。アクチュエータとは、電気エネルギーを動作に変換する装置のこと。当社の圧電アクチュエータのほとんどは欧州や中国をはじめとする世界各国の編み機メーカーに輸出されており、圧電セラミックスを用いたアクチュエータとしては世界で7割を超える高いシェアを誇っている。現在では研究開発から製造・販売まで一括して手掛ける企業へと成長を遂げており、ニッチ市場でキラリと光るグローバル企業となった当社のこれまでの足跡や現状の課題、今後の展望などについて、3代目社長である渡辺和久氏にお話しをうかがった。
調査レポート
埼玉の観光 ―
ポストコロナの観光戦略
ぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 土田 浩
経済のサービス化という大きな流れの中で、日本経済に果たす観光の役割が増している。また、インバウンド旅行客の大幅な増加も、わが国の経常収支黒字に一役買うようになっている。しかしながら、2020年の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、観光需要は一時激減した。そしてその後徐々に、観光需要は持ち直してきた。そこで本稿では、埼玉県の観光について、コロナ禍における状況と近年のトレンド、および課題と取り組みを概観することで、今後の埼玉県の観光の発展につながる戦略を考察することとしたい。
FOCUS
VTuberを活用した観光振興について!
埼玉県産業労働部観光課 DMO 支援・観光振興担当 主事  蛭間 彩恵 氏
架空の3Dキャラクターをアバターとして登場させYouTube配信を行う配信者のことを「バーチャルYouTuber(以下、VTuber)」と言います。既存の映像に声をあてるアニメとは違い、VTuberは、モーションキャプチャ技術を使って生身の配信者の動きを3Dキャラクターへ瞬時に反映させます。このため、VTuberは視聴者とリアルタイムでコミュニケーションをとることも可能です。近年ではアイドルのように活動するVTuberがいるほか、企業や行政などのプロモーション施策としても活用されています。埼玉県でも令和3年度にVTuberの「春日部つくしさん」を埼玉バーチャル観光大使として任命し、観光情報の発信などを行っています。
寄稿
司馬遼太郎×池波正太郎 生誕100 周年記念
歴史・時代小説は 大人の日本人の嗜み、そして永遠の友 -前編 司馬遼太郎-
~二大国民作家の代表作から、今なお輝き続ける巨匠の魅力を探る~
メインストリート・マネジメント・リサーチ合同会社 代表 松本 博之 氏
いわゆる「出版不況」なるものが叫ばれて久しい。しかしながら、今なお多くの書店の書棚(特に文庫本コーナー)で大きなスペースをとって並べられているのが、俗に「一平二太郎」と言われる3人の作家の作品である。言わずと知れた、「一平」が藤沢周平、「二太郎」が司馬遼太郎と池波正太郎、その人たちである。本年2023年は「二太郎」の司馬遼太郎、池波正太郎両氏の「生誕100周年」にあたる記念すべき年だ。そこで「一平二太郎」を愛してやまない一人の読者として、彼らの代表作に触れながら、巨匠たちの今なお輝き続ける魅力の根源を探ってみたい。
TOPIX
さいたま市リーディングエッジ企業のご紹介
さいたま市 経済局商工観光部 産業展開推進課
さいたま市では独創性・革新性に優れた技術を持つ市内の研究開発型ものづくり企業を「さいたま市リーディングエッジ企業」として認証し、(公財)さいたま市産業創造財団と連携し、認証企業に対するオーダーメイド型の支援を行っています。
経済コラム
chapter 61
消費者物価をどう予測するか?
ぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 土田 浩
消費者物価の先行きは、金融政策運営を通じて為替・株式などの市場動向に、消費者の実質所得やマインドを通じて個人消費に、多大な影響を及ぼす。今後の景気を見通すうえで、いま最も注目すべき経済指標と言えよう。日本銀行では、7月の展望レポート(「経済・物価情勢の展望」)で、消費者物価(除く生鮮)の先行きを政策委員見通しの形で公表している。これによれば、23年度は大幅に上振れたが、24年度には既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰することから、かなり落ち着くという見立てである。果たして、消費者物価はこの先本当に落ち着くのか?これに関しては2つの点を指摘しておきたい。
埼玉の隠れた銘品百選㊴
鯉平の骨抜きうなぎ蒲焼
株式会社 鯉平
うなぎ一人前の身には、150~200本もの小骨が隠れている。これを手作業で一本一本取り除いたのが、骨抜きうなぎ蒲焼である。ベテランの職人でも一人前を抜き終わるには20分くらいかかる。なので、一日に生産できるのは僅か20食のみという希少品である。知る人ぞ知るリピーターが注文の7~8割を占めているそうだ。骨なしの歯ざわりの良さも、おいしさの秘訣かも知れない。木箱に入れて贈答品にするにもピッタリの隠れた銘品である。
ぶぎん税務相談
第61回講座
相続時精算課税制度について
今月は、贈与税の相続時精算課税制度の改正についてのご質問です。贈与税の課税制度には暦年課税制度(以下「暦年課税」といいます。)と相続時精算課税制度(以下「精算課税」といいます。)があり、精算課税については、昨年の5月号でもご紹介しましたが、はじめに現行の課税制度について、その後に精算課税の改正内容をご説明します。
小が大に勝つ ランチェスター戦略
第39回講座
顧客の視座・視野・視点
ランチェスター戦略コンサルタント 福永 雅文 氏
大きな会社は有利で小さな会社は不利である。しかし、戦略次第で小が大に勝つ可能性は見いだせる。この「弱者逆転」するための理論と実務の体系が「ランチェスター戦略」である。多くの企業がこれを学び、自社の戦略づくりに活用してきたことから、わが国において競争戦略・販売戦略のバイブルといわれる。埼玉県の企業の経営相談の実績も豊富なランチェスター戦略コンサルタント福永雅文氏が実際のコンサル事例で中小企業向けに解説していく。
中堅・中小企業のための広報PR⑰
広報をもっと身近に
あの会社(⁉) のようにならないためのリスクマネジメント
株式会社 アネティ 代表取締役 仲村 明子 氏
インターネットやデジタルデバイスの発達により、マスコミを経由する方法以外にも、自社メディアやSNSを通じて直接広報PRができる時代になりました。広報PRは、ステークホルダーの共感や信頼を得て、売上拡大や人材獲得につなげる大変有効な活動です。このコラムでは、中堅・中小企業の皆さまが広報PRを身近に感じ、すぐにでも着手していただけるよう、考え方や方法についてわかりやすく解説していきます。