調査レポート

ぶぎんレポート

ぶぎんレポート 2023年3月号
No.274
ぶぎんレポート 2023年3月号
ぶぎん経営者クラブ会員限定

目次

企業インタビュー
ネギの「農福商連携事業」によって 循環型農業のネットワーク構築を目指す
アルファイノベーション 株式会社 代表取締役 山田 浩太 氏
「あまった食べ物で農業を救う」──。循環型農業の理想を示した一言であるが、「言うは易く行うは難し」で、全国各地での取り組みはなかなか前に進むことができないでいる。そうしたなか、有機質肥料を利用しながら埼玉県白岡市でネギの生産・販売に特化する形で、その循環型農業の実現を目指しているのが、山田浩太社長が率いる「アルファイノベーション」だ。全国各地のネギ生産者と連携することで「安定供給」を実現する一方、障がい者継続支援事業を通して農福商連携事業に取り組み、食品加工、外食、スーパーなど50を超える取引先との直販を行っている。創業の経緯から、今後どのようにして理想とする循環型農業の実現を目指していくのかなどを山田社長に聞く。
調査レポート
人口減少が地域社会に与える影響  
第4回「空き家」
ぶぎん地域経済研究所 調査事業部長兼上席研究員 藤坂 浩司
人口減少が進行する日本。その影響は社会生活の様々な事象で表面化しているが、その1つに「空き家」が挙げられる。総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によれば、全国の空き家の総数は849万戸となり、過去20年で約1.5倍にまで増加している。今後も人口減少が継続的に続くことで空き家が増えることが見込まれている。そこでシリーズ第4回は空き家を取上げる。最初に全国の空き家の動向について考察し、その後、本県の動向について自治体へのアンケート調査結果を踏まえて紹介する。
FOCUS
社会生活基本調査からみる
コロナ禍における生活時間・行動の変化(上)
ぶぎん地域経済研究所 調査事業部主任研究員 加藤 達朗
5年に1度実施される総務省「社会生活基本調査」が2021年に行われ、その結果が昨年8月と12月の2回に分けて公表された。同調査は国民の社会生活の実態を明らかにすることを目的としており、国勢調査や経済センサスなどと同様に基幹統計に位置付けられている。2021年調査は10月16日~ 24日のうち、調査区ごとに指定された2日間を調査した結果となっている。ちょうどこの時期は、新型コロナウイルス感染拡大のいわゆる第5波にともなう緊急事態宣言等が、2021年9月末をもって全地域で解除された直後に当たり、本稿ではそうした影響に着目し、埼玉県および全国の調査結果について全3回にわたり考察する。
ぶぎん海外駐在員通信①
シンガポールの水事情について
武蔵野銀行シンガポール駐在員事務所 所長 岩崎 克士
武蔵野銀行は国際業務を推進する目的で、シンガポール、バンコク、香港に行員を駐在・派遣しています。本連載は現地行員によるリレーエッセイとしてスタートします。毎回、現地の生活事情やトピックスをお伝えします。第1回目はシンガポール駐在員事務所より、独立時からの重要課題であったシンガポールの水事情と水資源確保のための対策にスポットを当て、シンガポールが今日の繁栄を実現したヒントを探れたらと思います。
環境研究の最前線
県環境科学国際センター研究員に聞く ③
埼玉県における地中熱エネルギーの活用
埼玉県環境科学国際センター 土壌・地下水・地盤担当 濱元 栄起 氏
埼玉県環境科学国際センターは、「試験研究」「情報発信」「国際貢献」「環境学習」を4つの柱とする環境科学の総合的中核機関です。また、令和4年度からは研究成果の社会実装化を目指した取り組みも進めています。本連載では、当センターで行われている社会実装に繋がる6つの研究を紹介します。今回は積極的な利用が期待されている地中熱エネルギーについて解説します。
経済コラム
chapter 55
物価と賃金は新時代を迎えるか?
ぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 土田 浩
2000年以降の日本は、物価・賃金ともにほぼ横ばいの状態が続いてきた。景気の力強さには欠けたものの、微妙なバランスの上に価格面で大きな問題は生じないまま20年が経過した。しかしながら、価格交渉、賃金交渉といった当事者間の緊張関係は、年々薄れていったように感じられる。価格を逐次見直すべく仕掛けるのが億劫になってしまったのである。そこに押し寄せたのが、今回のエネルギー・食糧を中心とした輸入物価の急騰である。企業も家計も、必死にやりくりして海外発のコストアップを吸収しようと努力したが、限界に達するとともに、一斉に価格引き上げ、賃金引き上げの交渉に立ち上がった。太平の世に訪れた、現代版「黒船の来襲」のようであった。今般の輸入物価の高騰と国内物価・賃金への波及は、雇用慣行なども含めて、鎖国から開国へと転換をもたらすワンステップなのかも知れない。
埼玉の隠れた銘品百選㉝
創業136年伝統のうな重
有限会社 萬店(まんだな)
萬店は明治19年の創業以来、1世紀以上変わらず同じ土地で営業している。それ故に何世代にもわたりご愛顧いただき、地域のお客様あってのお店だと店主はいう。浦和というのは不思議な土地で「寿司より、うなぎ。」を選ぶ人が多い。大切なお客様や家族との集まり、お祝いなど、おもてなしといえば「うなぎ」なのだそうだ。伝統を重んじる一方で、革新的な取り組みも注目される。コロナ禍を契機に、店内の大広間の一部を食品工場に改装。また新たに作られた個室は和モダンの艶やかな造りで、外国からのご来賓などにもお勧めだ。
ぶぎん税務相談
第55回講座
副収入がある場合の確定申告
今月は、副収入のある給与所得者の確定申告についてのご質問です。大部分の給与所得者は、給与の支払者が行う年末調整によって所得税額が確定し、納税も完了しますから、確定申告の必要はありません。しかし、給与所得者であっても、所得税等の確定申告が必要な場合があります。
小が大に勝つ ランチェスター戦略 -コンサル事例- 
第33回講座
集中か分散か
ランチェスター戦略コンサルタント 福永 雅文 氏
大きな会社は有利で小さな会社は不利である。しかし、戦略次第で小が大に勝つ可能性は見いだせる。この「弱者逆転」するための理論と実務の体系が「ランチェスター戦略」である。多くの企業がこれを学び、自社の戦略づくりに活用してきたことから、わが国において競争戦略・販売戦略のバイブルといわれる。埼玉県の企業の経営相談の実績も豊富なランチェスター戦略コンサルタント福永雅文氏が実際のコンサル事例で中小企業向けに解説していく。
中堅・中小企業のための広報PR⑪
広報をもっと身近に
記者クラブとは?そのルールと活用法
株式会社 アネティ 代表取締役 仲村 明子 氏
インターネットやデジタルデバイスの発達により、マスコミを経由する方法以外にも、自社メディアやSNSを通じて直接広報PRができる時代になりました。広報PRは、ステークホルダーの共感や信頼を得て、売上拡大や人材獲得につなげる大変有効な活動です。このコラムでは、中堅・中小企業の皆さまが広報PRを身近に感じ、すぐにでも着手していただけるよう、考え方や方法についてわかりやすく解説していきます。