調査レポート

ぶぎんレポート

 ぶぎんレポート 2021年11月号
No.259
ぶぎんレポート 2021年11月号
ぶぎん経営者クラブ会員限定

目次

企業インタビュー
「メシを食べていける人」「モテる人」を育成 ユニークな目標を掲げ成長する学習塾
株式会社こうゆう 代表取締役  高濱 正伸 氏
少子化により需要の減少が懸念されている業界の一つが、学校教育の補足や進学準備教育を行う学習塾の業界だった。しかし、子どもの人数が減った分だけ、一人の子どもにかける親の期待が大きくなり、塾に通わせる家庭が増えているのだ。経済産業省がまとめている受講生徒数に基づいた「学習塾指数」は、2015 年を100 とした場合、19 年には101.7 の数値を示している。そうしたなかにあって、「メシを食べていける人」「モテる人」を育てることを目標に掲げ、「思考力」「国語力」「野外体験」を指導の3本柱に据えたユニークな教育を行っているのが、さいたま市に拠点を置く「こうゆう」である。運営する「花まる学習会」は、70 拠点で360 もの教室を展開している。創業者で代表取締役の高濱正伸氏に、ユニークな教育の実践に至った経緯や、今後の展開などについてお話を伺う。
調査レポート
食品ロス削減に向けた展望と課題
ぶぎん地域経済研究所 調査事業部主任研究員 加藤 達朗
2019 年10 月の「食品ロスの削減の推進に関する法律」(以下、食品ロス削減推進法)の施行から2021 年10 月で丸2年が経過した。同法では、行政、企業、消費者が一丸となって食品ロス削減に取り組んでいくことの重要性が謳われている。また、毎年10 月は「食品ロス削減月間」、10 月30 日は「食品ロス削減の日」と定められ、消費者庁、農林水産省、環境省が連携し、食品ロスについて考える、教えるといった集中的な普及・啓発の動きが各所で広がっている。そこで本稿では、食品ロスの現状やロス発生の要因、削減に向けた政府や企業の動き、今後の展望や課題などについてまとめた。
寄稿
埼玉県誕生150 周年記念 - 幕末から埼玉県誕生まで10 年間の軌跡を探る- 
県名「埼玉」決定の謎、 県庁「浦和」所在の秘話を紐解く
メインストリート・マネジメント・リサーチ合同会社  代表・地域経済アナリスト 松本 博之 (前 ぶぎん地域経済研究所 取締役 研究主幹)
本年、2021 年11 月14 日は、明治4年(1871 年)11 月の廃藩置県によって、(かなり大まかな表現であるが)現在の埼玉県域の東側半分の地域が“ 埼玉県” として誕生してからちょうど150 周年となる。また現在とほぼ同じ県域での埼玉県としての誕生は、それから約5年後の明治9年(1876 年)8月まで待たなければならない。本稿では埼玉県誕生から150周年を記念して、江戸時代の埼玉県域となっていた北武蔵地域の幕末の状況から明治維新の混乱を経て、現在の埼玉県誕生までの謎を紐解くこととする。
経済コラム
chapter 40
非伝統的データで地域経済の動きを新発見
ぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 土田 浩
社会のデジタル化の進展に伴い、経済分析にもビッグデータやAI の活用が広がっている。基本的には、経済活動の現状(景気)分析のネタ(素材)と言えば、政府・日銀などの公的機関が作成する各種調査統計データが大半を占める。そうした中で最近注目されるのが、非伝統的データ(「オルタ ナティブデータ」とも呼ばれる)を用いた調査分析である。民間企業が業務プロセスの一環として自社システムに蓄積したデータを、使用許諾を受けた経済研究者が、自身の分析目的に使うのである。前号でも触れたが、経済データの地域別の把握には、制約が多い。社会のデジタル化を多角的に活用することで、新たな発見や実証が進み、住民の合意形成や政策立案に活かされる。そんな日も遠くないように思われる。
埼玉の隠れた銘品百選⑱
手揚げもち
株式会社七越製菓
カリッ! 昔、鏡餅を割って作ったような、懐かしい、素朴な歯ごたえ。餅米による生地は生き物である。天日干しした後、時間をかけて陰干しする。手作りによる本物の職人技。気が付くと一袋食べきってしまう。それも、油を中まで浸み込ませず、生地の食感を堪能できるからだ。口コミで徐々に広がり、今日では埼玉を代表するような隠れた銘品である。
ぶぎん税務相談
第40回講座
住宅取得の特例について 1
今月は、マイホームを取得するときの贈与税と所得税の特例についての質問です。住宅取得に関する税制にはたくさんの特例がありますが、今月号では贈与税の特例について説明し、所得税の特例については、来月号以降で説明します。
小が大に勝つ ランチェスター戦略
第18回講座
人材の質
ランチェスター戦略コンサルタント 福永 雅文 氏
大きな会社は有利で小さな会社は不利である。しかし、戦略次第で小が大に勝つ可能性は見いだせる。この「弱者逆転」するための理論と実務の体系が「ランチェスター戦略」である。多くの企業がこれを学び、自社の戦略づくりに活用してきたことから、わが国において競争戦略・販売戦略のバイブルといわれる。埼玉県の企業の経営相談の実績も豊富なランチェスター戦略コンサルタント福永雅文氏が事例を交えて中小企業向けに解説していく。
人生100年時代の楽しみ方⑱
芸術活動を取り入れ、日々の暮らしに潤いを
フリーランスライター 篠原 克周 氏
ロンドンビジネススクールの教授、リンダ・グラットンが著した本『LIFESHIFT―100 年時代の人生戦略』が注目され、日本でも「人生100 年時代」という考えが知られるようになりました。みなさんは、もし100 歳まで生きるとしたら、どんな人生を送ってみたいですか。ここでは、人生100 年時代を楽しむための、ヒントやアイデアを探ります。第18 回のテーマは「芸術活動を取り入れ、日々の暮らしに潤いを」です。