調査レポート

ぶぎんレポート

ぶぎんレポート 2021年8.9月号
No.257
ぶぎんレポート 2021年8.9月号
ぶぎん経営者クラブ会員限定

目次

企業インタビュー
現場の土砂を活用してメリットをもたらすソイルセメントの技術開発会社
株式会社インバックス 代表取締役 秋山 祥克 氏
相次ぐ地震や豪雨によってもたらされる大規模な土砂崩れ。その後に2次災害を防ぐため砂防ダムを建設するわけだが、そこで必要不可欠なのがコンクリートだ。しかし、その材料である砂の枯渇が世界的に大きな問題となっている。そして、それを一気に解決してくれるのが「ソイルセメント」である。良質な砂をよそから運んでくるのではなく、災害復旧の施工現場にある土砂を活用していく。そうすることによって、工期の短縮や工事費の削減といったメリットももたらされる。そのソイルセメントの技術開発企業として日本をリードしているのが、さいたま市に本社を構えるインバックスだ。ソイルセメントの特徴、施工現場における活用普及で苦労したこと、そしてソイルセメントの汎用性を高めて様々なインフラ工事での活用を目指していく考えなどを、秋山祥克社長に聞く。
彩の国 企業探訪
コミー 株式会社
コミー株式会社は防犯用や安全確認用など特殊ミラーのトップメーカーとして知られている。これまでに航空機内の手荷物入れ確認ミラーや駅構内用の安全ミラーなど、画期的な製品を世に送り出してきた。今春にはプライバシーに配慮し、人の気配だけがわかる新製品「FFミラー気配」を発売したほか、既存のミラー製品とは全く異なる分野で、箸を使ったゲーム「箸タイム」を考案、世界市場を視野に発売した。面白い発想にこだわり続けることで新市場を切り拓くコミーの挑戦がますます期待されている。
寄稿
経済圏と地域循環経済の視点からの 新たな地域経営
-「グレーター熊谷」を事例として-
メインストリート・マネジメント・リサーチ合同会社  代表・地域経済アナリスト 松本 博之 (前 ぶぎん地域経済研究所 取締役 研究主幹)
本稿は人口減少や少子化・高齢化の進展等により社会的・経済的な“縮退期” にある我が国において、経済圏と地域循環経済の視点から新たな地域経営の在り方、取組みを提案するものである。
寄稿
渋沢栄一人生ゲーム
渋沢栄一翁を軸とした観光振興
埼玉県産業労働部観光課 DMO支援・観光振興担当
今年の2月から開始した渋沢栄一の生涯を描く大河ドラマの放映を好機と捉え、県では、埼玉三偉人の認知度向上及び渋沢栄一を中心とした周辺市町村への観光周遊施策の展開を計画しています。その事業の一環で、渋沢栄一の生涯を若い世代に楽しく学んでもらうことを目的とし、「渋沢栄一人生ゲーム」を制作しました。制作した人生ゲームは、7月中旬以降順次、県内の児童館や公共施設へ配布しています。
経済コラム
chapter 38
都会人の新ライフスタイルの受け皿に
ぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 土田 浩
“ワーケーション(work +vacation)”という言葉も定着した。リモートワークの普及で都会に縛られなくなった人たちは、仕事とバケーションの両面から拠点を選択する。選ばれるのは、いわゆるリゾート地ではなく、田園地帯や山間部など日常の暮らしが根付いている場所だ。全国の自治体も、“ 地方創生”初期の、移住か観光かというハードルの高い二者択一から転換して、その地域と多様なスタイルで関わりを持つ「関係人口」を増やす戦略に注力するようになった。官民連携の下で、よそ者でも入り込みやすい各種サービスを一括して提供する仕組み。これこそがまさに今の時代に求められているものだろう。
埼玉の隠れた銘品百選⑯
秩父おなめ
有限会社 新井武平商店
昭和4 年の創業以来、伝統的な製法を守ることで、秩父の味わいを今日に伝えているのが「秩父おなめ」。ごはんに載せて一口食べると、独特の濃いみそ味と風味が体に浸み込む。刻み茄子と、刻み生姜が効いているのは、当社オリジナルの製法だ。おかず味噌と呼ばれるほど、ごはんが進む。
ぶぎん税務相談室
第38回
夫婦間の贈与の配偶者控除
贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金で、一人の人が1 月1 日から12 月31 日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110 万円を差し引いた残りの額に対してかかります。また、婚姻期間が20年以上の夫婦間の贈与の場合、基礎控除110 万円のほかに最高で2,000 万円を控除できる「配偶者控除」の特例があります。
小が大に勝つ ランチェスター戦略
第16 回講座
営業員攻撃力の法則
ランチェスター戦略コンサルタント 福永 雅文 氏
大きな会社は有利で小さな会社は不利である。しかし、戦略次第で小が大に勝つ可能性は見いだせる。この「弱者逆転」するための理論と実務の体系が「ランチェスター戦略」である。多くの企業がこれを学び、自社の戦略づくりに活用してきたことから、わが国において競争戦略・販売戦略のバイブルといわれる。埼玉県の企業の経営相談の実績も豊富なランチェスター戦略コンサルタント福永雅文氏が事例を交えて中小企業向けに解説していく。
人生100年時代の楽しみ方⑯
墓じまいについて考える
フリーランスライター 篠原 克周 氏
ロンドンビジネススクールの教授、リンダ・グラットンが著した本『LIFE SHIFT ― 100 年時代の人生戦略』が注目され、日本でも「人生100年時代」という考えが知られるようになりました。みなさんは、もし100 歳まで生きるとしたら、どんな人生を送ってみたいですか。ここでは、人生100 年時代を楽しむための、ヒントやアイデアを探ります。第16 回のテーマは「墓じまいについて考える」です。