調査レポート

ぶぎんレポート

ぶぎんレポート 2020年10月号
No.247
ぶぎんレポート 2020年10月号
ぶぎん経営者クラブ会員限定

目次

企業インタビュー
オリジナル製品で市場を開拓し続ける異色のコンクリート製品製造会社
株式会社サイコン工業 代表取締役社長 岩﨑 昭一 氏
1959年に創業したサイコン工業は、高度成長期という追い風をフルに受けて順調なスタートを切った。その後、ほとんどの同業他社が公共事業への依存度を高めていくなか、同社は早くから民間のマーケットを中心に開拓に努めてきた。その「推進機関」となったのが、全国各地の同業他社とのネットワークを構築し、オリジナル製品の部材などを供給する「フレーム会(現・SPC工業会)」である。その強力なネットワークを通じて他社には真似のできない技術を組み込んだオリジナル製品を投入し、小型コンクリート製品業界で押しも押されもせぬポジションを確保するようになった。これまでの取り組みや、今後の経営戦略について岩﨑昭一社長に聞く。
調査レポート
住みたい街として人気上昇中のさいたま市
-その背景・特徴点と今後の可能性・課題を探る-
近年、大宮、浦和、さいたま新都心など、さいたま市内の街に住みたいという人が急速に増加している。バブル崩壊以降の平成の時代、首都圏の住宅は、郊外から東京都心部へという流れが続いた。その背景には、規制緩和により都心部にタワーマンションなどの住宅が大量に供給されたこと、共働き世帯の増加に伴い通勤時間の短さが重視されたこと、世帯人員の減少に伴い広さへの要求が減ったことなどがあった。そうした中で、住宅地として、さいたま市の人気が急上昇していることは注目に値する。そこで、本稿では、首都圏における住みたい街ランキングの動向を確認した後、さいたま市の躍進の背景と人気の特徴点を探り、今後の可能性と課題を考えることとしたい。
生誕180周年
NHK大河ドラマ「青天を衝け」放送記念
時代の変革者 渋沢栄一の半生
第2回:深谷編(中)
ぶぎん地域経済研究所 取締役 研究主幹 松本 博之
2021 年NHK大河ドラマで、栄一翁を主人公にした「青天を衝け」の放送、2024年から発行される新紙幣1万円札への肖像の採用が決まった。また2020年は栄一翁の生誕180周年の記念すべき年でもある。そこでNHK大河ドラマ放送に先駆けて、幕末期から明治という激動の時代に、いかに時代の変革者として活躍したかという内容を中心に彼の半生を紹介していきたい。学術論文でもなく、小説でもない、身近なエピソードを盛り込み、等身大の栄一翁の半生を描くことができたらと思う。史実に忠実で、かつ読み易い文章を心掛け、来年のNHK大河ドラマが“10 倍楽しめる” ような内容にしていきたいと思っている。
寄稿
令和2年国勢調査
~開始から今年で100年~
埼玉県総務部統計課 課長 坂田 直人 氏
国勢調査は我が国における最も基本的で重要な統計調査です。5年ごとに行われ、今年が実施年となっています。大正9年(1920年)第1回調査から100年目に当たります。国勢調査の結果は、選挙区の決定、地方交付金の配分、少子高齢対策、防災・災害対策など国及び地方自治体の様々な制度や政策の基礎となるばかりでなく、民間企業が店舗を出店する際の計画策定など市場分析にも利用されており、私たちの暮らしを支える上で不可欠なものとなっています。そこで県民の皆さんに国勢調査の概要と県としての調査に対する取り組みについてお伝えいたします。
経済コラム
chapter 28
資本主義の本質を問い直す
ぶぎん地域経済研究所 専務取締役/チーフエコノミスト 土田 浩
近代経済学の祖とされるアダム・スミスやリカードは、資本主義を人類発達史上の終着点と位置付けるが、本当にそうだろうか?これに取って代わるシステムを見出せない現状ではあるが、だからと言って、社会を分断する資本主義の本質的メカニズムを放置したままで、高度文明社会の秩序は持続可能なのだろうか?
埼玉の隠れた銘品百選⑥
独自の和竿の世界を切り開く
旭信竿
有限会社 旭信
天然の竹と本漆を用いた関東竿の流れを汲み、明治から歴史を重ねてきた旭信竿。和竿独特の「感度と粘り」が愛好家の間で再評価されている。
ぶぎん税務相談
教育資金贈与について
教育資金の一括贈与の非課税制度については、令和元年度に税制が改正されています。今回はその改正内容について解説いたします。 
小が大に勝つランチェスター戦略
第6回講座
コロナ時代に営業員は不要か?
ランチェスター戦略コンサルタント 福永 雅文 氏
「弱者逆転」するための理論と実務の体系が「ランチェスター戦略」である。コロナ禍が続くいま、筆者のもとには、営業のやり方を改革したいとの相談が相次いでいるという。訪問し、商談し、受注してきた営業方法をどうすべきか。営業戦略の指導経験が豊富なランチェスター戦略コンサルタント福永雅文氏が、その問題意識に対する考えを特別講座として解説する。
人生100年時代の楽しみ方⑥
中高年の「読書の秋」
フリーランスライター 篠原 克周 氏
もし100歳まで生きるとしたら、どんな人生を送ってみたいですか。ここでは、人生100年時代を楽しむ、ヒントやアイデアを探ります。第6回のテーマは「中高年の読書の秋」です。
ちょい旅 “彩の国”
第4回
さきたま史跡の博物館
埼玉県名発祥の地、「行田市埼玉」に国指定特別史跡「埼玉古墳群」があります。ここは、延喜式内社前玉神社のほか、1590(天正18)年の石田三成による忍城水攻めの遺構である石田堤、忍藩主松平家の菩提寺天祥寺などがあり、豊かな歴史遺産に恵まれています。特別史跡埼玉古墳群は、5 世紀後半から7世紀中頃に造られた9基の大型古墳群で、東日本最大の古墳群として、今年3月に県内で初めて国の特別史跡に指定されました。この地域約30ヘクタールが「さきたま風土記の丘」として整備されています。