調査レポート

ぶぎんレポート

ぶぎんレポート 2018年12月号
No.227
ぶぎんレポート 2018年12月号
ぶぎん経営者クラブ会員限定

目次

企業インタビュー
顧客満足の向上で成熟市場を勝ち抜く
排水処理向けキュービクルでシェア8割を握る制御盤メーカー
日栄電機株式会社 代表取締役会長 影近 正雄 氏

 建物や施設のなかのインフラ設備の一部として機能する電気設備。電灯や空調機器、浄水・排水機器などに電気というエネルギーを送り届け、そのスイッチのオン・オフの管理までを行い、人間の体にたとえるのなら、血液循環や神経系にかかわる臓器や器官に相当する。そうした電気設備の1つである排水処理向けの制御盤をメーンに手がけているのが、熊谷市内の妻沼西部工業団地のなかに本社工場を構える日栄電機だ。成熟した市場のなかにあって、きめ細かくお客さまの要望に対応することで、業界の中堅クラスとしての地歩を着実に固めてきた。最近では「キュービクル」で大きな市場シェアを確保するようにもなっているという。創業者でもある影近正雄会長に、業界内におけるポジションや自社の強み、そして昨年10月に社長職をバトンタッチした長男の健太郎氏に対する思いなどを伺った。

海外視察レポート
興味の尽きない国オランダ
ぶぎん地域経済研究所 代表取締役社長 島雄 廣

 初秋、ベルギーとオランダを訪ねた。ベルギーは1830年に独立するまで、ルクセンブルクとともにオランダ共和国に属していた。
 日本人にとってオランダの一般的なイメージといえば、風車や運河、チューリップやチーズの平和な国である。ビジネスマンならば、ロイヤル・ダッチ・シェル、ユニリーバなどの巨大企業の名を思い浮かべるだろう。また、鎖国時代に日本と交流のあった唯一のヨーロッパの国であることは知っている。
 しかし、オランダがヨーロッパのどこに位置するのか正確に示そうとすると、はっきり分からない。イギリスやフランス、ドイツなどの大国の陰に隠れた「静かな国」というイメージが強いのではないだろうか。
 オランダの国名は正式にはネーデルランド

彩の国企業探訪
株式会社 PR TIMES
企業、メディア、生活者にとって 三位一体のサービスを提供する
代表取締役社長 山口 拓己 氏

株式会社PR TIMESは、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」をインターネット上で運営している。企業などが作成した報道向けの素材資料「プレスリリース」を、様々な媒体に配信するサービスを行っているほか、一般生活者が投稿されたリリースを閲覧できる専用サイトを提供している。既存のPR会社とは一線を画したビジネスモデルを強みにサービスの利用者数を増やしている。

経済コラム
chapter 8 グローバル化と自国第一主義
ぶぎん地域経済研究所 専務取締役 土田 浩

今年(2018年)は、米中貿易戦争勃発の年として世界史に刻まれることになりそうだ。
 米国トランプ大統領は、最大の貿易赤字相手国である中国に対し、関税の引き上げを打ち出した。これに対抗して中国も、即座に関税引き上げ措置を講じた。この応酬は当初の大方の予想を超えてエスカレートしており、好調な世界経済の先行きに深刻なリスクをもたらしている。
 19世紀後半、世界最強国だったイギリスは、市場拡大を求め自由貿易を唱えた。一方、後発国のドイツは、自国産業育成のために保護貿易を主張した。
世界史の教科書では、後発国の保護貿易主義は、国益にかなう合理的な政策として説明されている。
 ところが、今日、自国第一主義を唱えているのは、世界の覇権国・米国である。これまでグローバル化のメリットを最も享受していたはずの米国が、なぜ方向転換したのか?これを理解するには、国内が一枚岩ではなく、階層によって利害関係の分断が拡大していることに注目する必要がある。

部下育成にもっと自信がつく12カ月
部下育成の計画を立てる -育成の全体像を見える化しよう
部下育成にもっと自信がつく12カ月
株式会社オフィスあん 代表取締役 松下 直子 氏

部下育成の計画を立て、育成の全体像を見える化する。これは育成する側にとっても重要だが、それ以上に、育成される側が必要としていることだ。全体像が見え
ないと、自分が今どの段階にいるのかわからず、不安になるのは当然のことである。

JETROアジア経済セミナー
タイ王国
独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ) 海外調査部アジア大洋州課 小林 恵介 氏

タイの年平均実質 GDP 成長率は、2000~2010年が4.6%に対し、2011~2016年の期間は2.6%に留まったものの、2017年は3.9%と、近年は復調傾向がみられる。
一方、労働集約型産業に依存する経済構造から脱却出来ず、高付加価値産業への移行が進まないなかで人件費が上昇するなどで経済成長が伸び悩む「中進国の罠」に陥る可能性も指摘されている。

埼玉産業歴史探訪
第3回 光学産業(上)
ぶぎん地域経済研究所 調査事業部 次長兼主任研究員 藤坂 浩司

 産業の歴史シリーズ第3回目は「光学産業」を取り上げる。光学産業は、光の屈折や反射などの現象を利用、応用した機械(以下、光学機器)、また、それら機械に使われる部品などを生産する事業分野である。本県の光学産業は太平洋戦争を挟んで “ 軍需 ” 産業として隆盛し、戦後、民需へと転換する流れの中で地域産業としての発展を遂げた。

ぶぎん税務相談室
第8回年末調整できないとき、住宅借入金等特別控除は?
ぶぎん地域経済研究所 顧問税理士
杉山 秀夫(関東信越税理士会大宮支部)
大井 賀津子(関東信越税理士会川越支部)